会社の株を購入して利益を得る方法として、1つは株を売ったり、買ったりして出た売買差益が思い浮かびますが、もう1つ利益を得る方法があります。
それは、配当金です。配当金は企業で余った利益を株主に還元するお金のことです。
ですが、具体的に配当金はいつ受け取れるのか、どういう受け取り方法があるのか、そもそもどうやったら配当金を受け取る権利を得られるのか、わからない人が多いかと思います。
そこで今回は、どうやって配当金を受け取る権利を取得するのか、配当金の支払日はいつなのか、配当金はいつ受け取れるのか、受け取り方法はどのような種類があるのかを分かりやすくご紹介します。
配当金はいつ貰えるのか
配当金の受け取りには剰余金配当と中間配当という方法があります。
剰余金とは資本剰余金と利益剰余金の2種類あり、資本剰余金が株主からの増資などによって発生する利益が元です。
利益余剰金は、企業か経済活動することによって得られた利益が元になっています。
中間配当とは、企業が決算期以外で株主に対し、利益を分配することです。
中間配当の場合、中間配当そのものを設けていない企業もあります。
上記をふまえて、剰余金の配当時期と中間配当時期を見ていきましょう。
剰余金の配当時期
企業の決算が終わり、通常3か月以内に開催される株主総会で決議されると支払われます。
具体的に説明すると企業によって決算時期が違いますが、3月末が決算だとするとおおよそ6月ぐらいに株主総会を開催し、剰余金分配の中身をどうするのか議論し、6月末以降から7月頃に支払われるという流れです。
分かりやすくまとめると、以下になります。
決算期 | 配当金支払い時期 |
3月末決算 | 6月下旬以降 |
6月末決算 | 9月下旬以降 |
9月末決算 | 12月下旬以降 |
12月末決算 | 3月下旬以降 |
また配当金をもらう場合、配当権利確定日の2営業日前の配当権利付き最終日に株を保有していなければ配当はもらえません。
例えば、6月30日(火)が配当権利確定日であれば、6月26日(金)が配当権利付き最終日になります。(営業日単位ですので土日は入れません)
権利付き最終日を超えれば、保有している株は6月30日(金)の権利確定日を待たず、6月29日(月)に株を手放しても配当はもらえます。
この6月29日(月)を配当権利落ち日といいます。
中間配当時期
中間配当時期は企業によって違ってきますが、3月末が決算の場合は、9月30日時点で株主名簿に記載のある株主に対し、支払われます。
支払い時期はおおよそ2か月~3か月弱後の支払いとなるので、9月30日が配当権利確定日であれば、12月上旬ぐらいまでに支払われるでしょう。
中間配当を得るためにはどうしたらよいかというと、基本的には余剰金配当と一緒で、配当権利確定日の2営業日前の配当権利付き最終日までに株を保有していれば、中間配当も得られます。
例えば、9月30日(月)が配当権利確定日であれば、9月26日(木)が配当権利付き最終日となります。
しかしながら、中間配当に関しては、日本企業のほとんどが実施していますが、不況下の場合は中間配当がある会社でも中間配当なしになる場合もありますのでご注意ください。
配当金受取方法は?
配当金の受け取り方法は以下の4種類あります。
株式比例分配方式
2009年に株式が電子化されたことを契機とし、始められた配当金受け取り方式で、ご利用の証券会社で作成された取引用口座に株式配当やETF、REITの配当を受領する方式です。
この方式だと株式と配当金を同じ口座で管理できますし、受け取った配当金を取引用口座内で利用できます。
口座が特定口座(源泉徴収有)であれば、損益通算(株式の譲渡損失と配当金)が口座内で行われますので確定申告の必要がありません。
またNISA口座の配当金非課税の恩恵を受ける場合は、この株式比例分配方式でなければ請けられませんので注意してください。
登録配当金受領口座方式
こちらも2009年に株式が電子化されたことを契機とし、始められた配当金受け取り方式です。
この受け取り方式は登録した銀行口座で配当金などをすべて受け取る方式です。
登録できる口座は1つ、ゆうちょ銀行の貯金口座は指定できません。
ただ株式比例分配方式と違い、損益通算ができませんので、確定申告が必要です。
またNISAの配当金非課税にも対応していません。
NISA口座を持っていてこの方式を選択するとNISA口座の配当金に対し、課税されますから意味がありません。
配当金受領証方式
この方法は従来の受け取り方法で、株が電子化される前から株取引を行っている方でしたらこちらのほうが馴染みが深いでしょう。
こちらは、発行会社より発送される配当金領収証を主要都市銀行やゆうちょ銀行といった金融機関窓口にもっていき、配当金を受け取る方式です。
注意点としては手間がかかるということと、持っていく金融機関によって本人確認を求められる場合がありますので、本人確認ができる書類を持っていく必要があります。
また払渡期間が設けられており、払渡期間が過ぎてしまった場合、発行会社にて再度手続きが必要になりますので注意が必要です。
ただ現金で受け取る喜びを実感したい方は、配当金受領方式がよいでしょう。
個別銘柄指定方式
銘柄ごとに配当金を受け取る銀行口座を指定する方式です。
銘柄少数であればよいのですが、多数の銘柄を持っていた場合はその持っている銘柄1つ1つに配当金を受け取る銀行口座を指定しなければいけないという手間がかかります。
受け取り方法の変更は、証券口座を開設した証券会社ですぐに変更手続きは行えますが、2009年1月から証券保管振替機構(通称:ほふり)で株券と株主の一元管理を行っていますので、証券保管振替機構(通称:ほふり)での変更作業に3~4営業日かかります。
そのため、配当金受取日ギリギリに変更手続きするとどの受け取り方式を選択しても3~4営業日かかります。
余裕をもって受け取り方法を変更することおすすめします。
配当金支払日の確認方法
配当支払日の確認ですが、株を保有している会社のホームページに IR情報として、決算短信がアップロードされているはずですので、そちらを確認しましょう。
今回はフジ・メディア・ホールディングスを例に説明いたします。
以下へアクセスし、「2019年3月期決算短信 〔日本基準〕 (連結)」 をクリックします。
https://www.fujimediahd.co.jp/ir/f_earning.html
以下 PDF 内の1ページ目に [配当支払開始予定日] という項目がありますのでそちらを確認します。
フジ・メディア・ホールディングスの場合は、[配当支払開始予定日] が2019年6月27日ということがわかります。
今回はフジ・メディア・ホールディングスを例に説明いたしましたが、ご自身が持っている株の会社ホームページをご確認いただくことで簡単に配当支払日の確認ができます。
※参考:フジ・メディア・ホールディングス 株主・投資家情報 決算短信 [2019年3月期決算短信 〔日本基準〕 (連結)]
https://www.fujimediahd.co.jp/ir/f_earning.html
決算短信以外の配当金支払日の確認方法は、購入した企業ホームページのIR情報から確認できます。
まとめ
今回は、どうやって配当金を受け取る権利を取得するのか、配当金の支払日はいつなのか、配当金はいつ受け取れるのか、受け取り方法はどのような種類があるのかをご紹介いたしました。
株を売買することで利益を得る場合は、常に情報を精査し売買しなければいけませんが、配当金狙いの場合は日々の上がり下がりに影響は受けず、期末の権利最終日までに株を保有すればよいので、精神的な負担も少ないでしょう。
配当金をもらうことで、投資しているという実感がわき、投資意欲が上がるので、保有することで利益を得たい方におすすめの投資方法です。
また、
ぜひ以下のブログも参考にしてみてください。
Koharu Biyori「【体験談】マネーキャリアの口コミ・評判は最悪?主婦が3回体験してみた」