世界的に影響を与えた大ニュースだったため、「リーマンショック」という言葉を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
世界的な経済危機であること出来事が原因で、世界でも多くの企業が影響を受け、日本の企業も影響を受けました。
本記事では、そのリーマンショックが起きた原因と日本への影響を解説します。
リーマンショックとは
リーマンショックとは、2008年にアメリカの大手投資会社のリーマン・ブラザーズが倒産したことにより、発生した世界的な経済危機のことです。
「リーマンショック」という読み名は日本の呼称で、世界では金融危機2008~2009や金融危機と呼ばれています。
リーマンショックの原因を簡単に説明すると、サブプライムローンという誰でも借りられる低金利の住宅ローンを低賃金の人たちに貸し過ぎて住宅バブルが起き、その結果バブルが崩壊したことです。
リーマンショックの原因
リーマンショックが起きたことにより、アメリカをはじめ、世界中の経済が混乱することになりました。
もちろん、日本への影響も少なからずはあります。
リーマンショックにより、全財産を失った人もいました。
そのリーマンショックの原因を説明します。
サブプライムローンの登場
リーマンショックの原因は、先にも述べたように、サブプライムローンという低賃金の人たちでも、住宅ローンを借りられるという金融商品の登場にあります。
サブプライムローンの登場で、社会的に信頼の低い低賃金の人たちも住宅ローンを借りることができました。
返済能力の低い人でも簡単に住宅ローンを借りることができたのは、住宅を担保にした高金利の金融商品で、ローンの審査が甘かったことが理由です。
もちろん、高金利ですので、リスクも高くなります。
しかし、それでも住宅を購入したいというニーズは高く、バイトの人やフリーターの人をはじめ、多くの人がサブプライムローンを利用して住宅を購入しました。
なぜこのような商品が出回ったのかというと、当時のアメリカは土地や住宅の価値が高騰していたためです。
高金利な住宅ローンでも、いざとなれば担保にしていた住宅を差し押さえるなどして売却すれば、返済は十分に可能と見ていましたのです。
住宅を購入する人が増加
サブプライムローンにより、アメリカでは急激に住宅を購入する人が増加しました。
まさに住宅バブルが起きていたのです。
住宅バブルになった理由は、住宅ローン会社が行った取り組みにあります。
まず、住宅ローン会社は低所得者にお金を貸します。
借りたお金で低所得者はローンを組み、住宅を購入。
しかし、住宅ローン会社は、低所得者にお金を貸すのは、貸し倒れのリスク(貸したお金が返ってこないリスク)が大きいと考えました。
そこで、住宅ローン会社は、サブプライムローンの債権を投資銀行に売却します。
当時、サブプライムローンのニーズが高いこともあり、投資銀行も高い金利に魅力を感じて、サブプライムローンの債権を買い取ります。
債権を売却して得たお金により、ローン会社は再び低所得者の住宅ローンを組むためのお金を貸す資金源にします。
結果、一連の循環により、アメリカではどんどん住宅を購入する人が増え、住宅バブルと化したのです。
住宅バブルの崩壊
サブプライムローンにより加速していった住宅バブルですが、バブルはいつか弾けます。
アメリカの住宅バブルも例外ではなく、崩壊への道を進むことになります。
住宅バブル崩壊の理由を一言で説明すると、需要と供給のバランスの崩壊です。
当初、サブプライムローンの金利は、借りた当初は低金利で、時間と共に高金利へと変化していく商品でした。
低所得者からすると、はじめは借りやすいのですが、徐々に金利が上がっていき、結果的に低所得者では返せない金額となります。
そして、ローンを滞納する人が現れ、さらに住宅を差し押さえられる人まで出てきました。
サブプライムローンが登場した当時は、土地や住宅の価値は高騰していましたが、住宅ローンを払えず、住宅を売却する人が増えたことにより、住宅の価値は低下。
そのため、売りに出す住宅が増え過ぎて、需要と供給のバランスが崩れます。
次々と売りに出された住宅は、買い手がつかずに供給過多となり、住宅の価値は一気に暴落します。
これが住宅バブルの崩壊です。
サブプライムローンの破綻
住宅ローンの崩壊により、サブプライムローンは破綻します。
サブプライムローンの破綻は世界的に大ニュースとなり、その影響は多大なものでした。
市場は大パニックになり、金融不安は波及します。
金融市場のパニックにより、証券化されたサブプライムローンを購入していた投資家は資産を失います。
また、サブプライムローンの商品は他の債権と組み合わせて販売されていました。
そのため、「もしかして自分の持っている金融商品にもサブプライムローンが組み込まれているかもしれない」と感じた投資家たちは、一気に売却しはじめ、買い手がまったくつかない状態に。
サブプライムローンを販売していた大手投資銀行のリーマン・ブラザーズは、その結果により経営が悪化し倒産、多大な負債を抱えました。
世界的に見ても大手の投資会社だったリーマン・ブラザーズの倒産は大きな衝撃を与え、リーマンショックと呼ばれるようになります。
リーマンショックを受け、世界の投資家の不安感は募り、株式を現金化する人が急激に増えました。
それが世界的な金融危機へとつながり、日本へも影響を及ぼしたのです。
リーマンショックの日本への影響
リーマンショックが起きた直後は1ドル=104.8円でしたが、その年の12月17日には87.1円と急激な円高となっています。
実は、世界的に見ても日本は、サブプライムーンには手を出していなかったことから、影響が限定的と考えられていました。
そこで、サブプライムローンにより大きな影響を受けた海外の投資家たちが、一気にドルを日本円に替えだしたのです。
米ドルが売られ円高が加速
米ドルが売られたことにより日本円は円高に振れ、日本の輸出産業は大きな打撃を受けます。
結果、日経平均株価は大暴落し、工業製品や自動車の売り上げは急激に減りました。
リーマンショックの影響で、日本の企業は資金調達が難しくなり、倒産した企業もあります。
もちろん、ビジネスも経済も成長しません。
直接的な原因が日本にはない場合でも、世界的な経済危機が起きると、日本も影響が出るということです。
まとめ
リーマンショックが起きた原因と日本への影響を解説してきました。
リーマンショックは、2008年にアメリカの大手投資会社リーマン・ブラザーズの倒産により巻き起こった世界的な経済危機のことでした。
低所得者でも住宅ローンを組めるサブプライムローンという商品を売り出しましたが、結果的に住宅バブルを呼び、やがて崩壊します。
リーマンショックは世界中で大きな被害を出しました。
世界的な経済危機を知ることで、再びこのような事態に陥らないように、そして起きた時には冷静に対処できる姿勢が必要です。