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退職金運用マンの投資録

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン

投資信託

【高い利回り】評判の東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンを徹底評価!組み入れ銘柄、撤退時を含めてわかりやすく紐解く。

考察シリーズを続けていきます。筆者はファンドを分析するのが趣味という変わった人間なのですが、また注目のファンドを見ていきたいと思います。

今回取り上げるのは「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」です。

 

東京海上というと、筆者は就職活動をしていた時期を思い出します。損害保険会社の最大手といったところでしょうか。今回はこの東京海上の名前が冠となっているファンドについて、買うべきなのか、そうではないかを検討していきたいと思います。

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東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンとはどんな投資信託か?

東京海上ジャパンオーナーズの主要投資先は日本株です。790億円とそこそこのサイズのファンドです。銘柄選定に特徴があります。経営者が実質的に主要な株主である企業を選ぶといった類です。

この選定方法は筆者も正解だと思っております。理にかなっています。

トレーダーの間でも主要株主がオーナー代表であるかどうか、経営陣がどれくらい株を握って経営しているかは企業の成長に大きくインパクトを与えるものと考えられています。

 

運用は東京海上アセットマネジメントです。投資助言は受けていないようですね。自前のアセットマネジメント会社で運用をしています。

運用プロセスはまずオーナー企業をスクリーニングしているところが他にはない特徴だと思います。リーダーシップ調査も新しいですね。

ファンドの目的・特色

ファンドの目的・特色

 

切り口は新しいですが求められるのは結果です。

 

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンのポートフォリオ、組入銘柄

以下が2023年7月末の銘柄構成となっています。オーナーの持分が高いのでしょう。

銘柄 業種 銘柄概要
1 シスメックス 電気機器 血球計数分野で世界市場シェア50%以上を有する企業。
2 ニデック 電気機器 世界有数の総合モーターメーカー。
3 SBSホールディングス 陸運業 3PL大手。大型物流設備を運営し、多くの企業から物流を受託している
4 コナミグループ 情報通信業 個人向けゲーム、ゲームセンター向けゲームマシン、スポーツ事業を手がける
5 パンパシフィック 小売業 ドンキホーテやアピタなどを運営
6 DMG森精機 機械 5軸加工機。マシニングセンタ・CNC旋盤に強みをもつ世界最大手の工作機械メーカー
7 ソフトバンクグループ 情報・通信業 孫正義社⻑率いる情報通信企業。
8 カナモト サービス業 北海道を地盤とする建設機械レンタル大手企業。国
9 エフピコ 化学 惣菜トレーやコンビニ弁当の容器など食品容器の専業メーカーとして成長
10 サイバーエージェント サービス インターネット広告国内大手でスマードフォンサービス、ゲームなども展開

 

1位のシスメックスの株主比率は以下の通りとなっており、オーナー一族で20%保有を超えています。

株主名 持株比率(%) 持株比率持株数(千)
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 12.99 27,247,000
公益財団法人神戸やまぶき財団 5.72 12,000,000
公益財団法人中谷医工計測技術振興財団 5.64 11,830,000
日本カストディ銀行(信託口) 5.54 11,609,000
(有)中谷興産 4.99 10,457,000
家次和子 2.92 6,124,000
和田妙子 2.92 6,124,000
ルソール 2.27 4,750,000
中谷忠子 1.91 4,012,000
SSBTCクライアント・オムニバス 1.61 3,384,000
自社(自己株口) 0.21 447,300

 

続いてジャパンオーナーズのポートフォリオ上位銘柄常連のSBSホールディングスは以下となっています。創業者の鎌田氏が36%を握り筆頭株主となっています。

株主名 持ち株
比率(%) 株式数
鎌田正彦 36.23 14,388,400
日本カストディ銀行(信託口) 14.54 5,776,600
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 3.64 1,445,000
自社従業員持株会 3.27 1,300,600
SBI証券 3.18 1,263,978
SMBC信託銀行(特定有価証券信託口) 3.02 1,200,000
三井住友信託銀行(信託口甲13号) 2.52 1,000,000
東武不動産 2.48 986,000
ノルウェー政府 2.23 885,000
和佐見勝 1.54 610,600
自社(自己株口) 0 600

 

鎌田正彦社長

留学資金をためるために上京した青年が、「稼げる」を理由に入社したのが、佐川急便だった。半年で辞めるつもりが、物流の面白さに気づき、気が付けば8年を費やしていた。佐川を辞めた鎌田正彦氏は昭和62年12月、東京都江東区に軽貨物事業を手掛ける関東即配を立ち上げる。

将来に大きな夢を描き、その目標にまい進したという同社は平成15年、ジャスダックに念願の上場を果たした後、M&Aで次々と物流子会社をグループ化、企業規模を拡大していく。

 

シスメックスの時価総額は1.94兆円ほど、SBSホールディングスは1293億円ほどでした。ポートフォリオ全体の時価総額はとても大きいです。

以下は昨年末からの推移ですが、当然オーナー企業への長期投資なので構成銘柄はさほど変わっていません。

2023年7月末 2023年4月末 2022年11月
1 シスメックス シスメックス シスメックス
2 ニデック 大塚商会 エフピコ
3 SBSホールディングス SBSホールディングス 光通信
4 コナミグループ SMC SBSホールディングス
5 パンパシフィック パンパシフィック パン・パシフィック・インターナショナル
6 DMG森精機 エフピコ シップヘルスケアホールディングス
7 ソフトバンクグループ サイバーエージェント ロート製薬
8 カナモト DMG森精機 大塚商会
9 エフピコ コナミ SMC
10 サイバーエージェント ロート製薬 カシオ計算機

 

<速報>東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの運用実績

それでは運用実績を見ていきましょう。

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの基準価額の推移

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの基準価額の推移

 

2013年4月に運用を開始して4-5倍程度のパフォーマンスです。2020年の追い風がきてようやくまともなパフォーマンスになっていったとわかります。

直近1年のリターンに関してはマイナスとなっています。5年で+8.76%となっていますが、こちらは2020年の異次元金融緩和などの特殊要因を含んでいます。正確にその実力は測れませんし追い風があった割にはイマイチかという感じです。

1年 3年(年率) 5年(年率)
トータルリターン 12.64% 7.65% 7.81%
標準偏差 9.34 13.63 16.81
シャープレシオ 1.35 0.56 0.47

 

シャープレシオも非常に低いです。

リスク(標準偏差)1単位当たりの超過リターン(リスクゼロでも得られるリターンを上回った超過収益)を測るもので、この数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと(効率よく収益が得られたこと)を意味します。異なる投資対象を比較する際に、同じリスクならどちらのリターンが高いかを考えるときに役立ちます。
このシャープ・レシオは、リスク調整後のリターンを測るものとして、投資信託の運用実績の評価などにも利用されます。

シャープ・レシオ (シャープ・レシオ)

 

やはり、ひふみ投信と同様、ファンドサイズが大きくなるにつれて、パフォーマンスが下降しています。

  • 東京海上ジャパンオーナーズ
  • 日経平均株価
  • ひふみ投信
過去10年の東京海上・ジャパン・オーナーズ株式と日経平均とひふみプラスのチャート比較

過去10年の東京海上・ジャパン・オーナーズ株式と日経平均とひふみプラスのチャート比較

 

運用資産が大きくなると、分散も広くなり、銘柄数も増え管理が煩雑になり、リターンは薄くなっていきます。結局は、アクティブファンドもインデックスファンドと同様のリターンに収斂していくことになります。ここ3年は日経平均に負けておりインデックスを劣後しています。

 

それなら最初から手数料の安いインデックスファンドで良いのでいいのではないかという話になってきます。

インデックスに対してもプラスのリターンを安定して出しているファンドについては以下で纏めていますのでご覧いただければと思います。

【2024年】日本国内の魅力的なヘッジファンドをおすすめ順にランキング形式で一覧にして紹介! 
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掲示板での口コミや評判

掲示板での口コミや評判についても見ていきたいと思います。

Yahoo finance口コミ

なかなかプラ転しない。
あとチョとやのに
どっか行きよる。
_| ̄|●

Yahoo finance口コミ

下がる一方だな。

Yahoo finance口コミ

売って正解だったねー

 

昨年の下落にたえてなんとか持ち直してきて安堵している声が聞こえてきました。

しかし、本当にこのまま安泰なのでしょうか?

 

撤退すべき?今後の見通し

重要なのは今後の見通しです。

2023年8月現在日経平均をはじめとする日本株は上昇しすぎています。これはクライマックストップ感がある状況です。ここからは以下の要因で株価の見通しは暗いです。

  • 進展する日本のインフレに対応するための日銀の政策変更
  • 上記に伴う円高
  • 米国発の世界的な景気後退

このようなリスクを内包しているなかで、日経平均と同じような動きをするジャパンオーナーに投資をする妙味は少ないでしょう。

 

まとめ

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンについて調べてきました。

筆者は厳しすぎるかもしれないほどの分析をしていますので、一般の人は購入する投信なのかもしれません。

 

しかし、資産を最大化するには妥協はできないので、複利運用ができる先を真剣に選ぼうと思っています。

複利運用には時間、つまり早く投資すればするほどその効果が高まります。より下落耐性のあるファンドに投資するために撤退は合理的な判断だと思います。

以下では筆者が長年の投資経験、分析してきた結果のおすすめの投資先を羅列していますので、参考にしてみると良いでしょう。

結び

 

 

急がば回れという諺がある通り、資産運用は長期的に複利で運用することによって大きな資産を形成することができます。

高いリターンを狙って投資をすると大抵大きなドローダウンに巻き込まれて投資そのものから撤退するという末路を辿ってしまいます。

人間の精神というのは暴落に耐えられるようには出来ていません。出来る限り資産の大きな下落を回避しながら着実なリターンを積み上げていくことが重要なのです。

 

年利10%であっても7年後には資産を2倍に、15年後には資産を4倍にすることができます。追加投資をすることで更に資産形成は早まっていくことでしょう。

さて、2024年以降、下落相場を回避しながら安定したリターンを積み上げるというミッションはなかなか難しくなってきています。

2010年代からパンデミック期に行った金融緩和の副作用でインフレが発生し金利が高くなることで株式市場の潜在的なリターンが低くなっているからです。

 

このような時にこそ年金基金や大学基金、更には欧米の超富裕層が投資をしている金融資産に目を向けるべきです。

上記のような機関投資家や超富裕層は金融市場の影響を抑制しながら、常に安定したリターンを求めて資産運用を実施しているからです。

以下ではリーマンショック等の暴落を回避しながら安定したリターンを出し続けている選択肢について詳しくお伝えしています。

筆者が1.5億円を形成する上でポートフォリオの主軸となった投資先も紹介しています。皆さまの資産形成の参考にしていただければ幸いです。

 

 

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